オズ風呂

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Tokyo in Memory 「初観測」

てんてんてんてんってなんだ?

2016年10月29日。原宿でアイドル対バンをみた帰り道、Lさんに遭遇した。

Lさんは、アイドルグループ「PIP」の現場で知り合ったオタク仲間だが、僕がPIPを途中から追わなくなってからは疎遠になっていた。*1

ひとしきりの挨拶を終えたあと、Lさんが切り出した。

「オズさんは『てんてんてんてん』行かないの?」

てんてんてんてんってなんだ?
僕の頭は?マークでいっぱいになった。

話を聞くに、PIPの元オタクがアイドル運営を始めたらしく、そのグループ名が『てんてんてんてん』らしい。

そのグループ名にも、「メンバーがサングラスをかけて顔を伏せている」ということにも驚いたが、なによりショックだったのは、それを始めたのが古村*2と小林*3だったことだ。
二人ともPIPの「おまいつ」で、僕が日常的に接していた人たちじゃないか――

その日の夜、布団のなかで、僕の身体は猛烈に熱くなった。

「同じ現場でオタクしてた彼らが、自らアイドル運営をはじめた…それに比べて俺はなにをしてるんだ」

圧倒的な濃さで日々を駆け抜けていく彼らと、目標も、やるべきことも定まらず、ふらふらと生きている自分。
そのコントラストに目眩がした。

踏み出せない一歩

・・・・・・・・・の存在を知った僕は、しかし、すぐに現場には行かなかった。
久しぶりに彼ら(古村小林)と再会することに、気後れしたのだ。

初観測

2ヶ月後、意を決した僕は、・・・・・・・・・の現場に向かった。
場所は池袋RUIDO K3。初めてくる箱だ。



立錐の余地もないくらいパンパンになった会場。
キャパシティに対して、アイドルを詰め込みすぎなのだ。

そんななか、僕の姿を見つけた古村が、嬉しそうに肩を叩いた。
こうして顔を合わせるのは10ヶ月ぶりだ。

そうこうしているうちに、・・・・・・・・・の出番がくる。
白い衣装を纏った5人の少女がステージに上がる。
Lさんが言ってたように、目元はサングラスのようなもので隠されている。

内向きに円をつくり、しゃがむ少女達。
イントロが流れる。ハードなギターリフ。*4
長い、長いイントロ。少女たちはしゃがんだまま動かない。*5

「かっこいい!」

メンバーの近未来的なルックスも相まって、僕はそう思った。

初接触

ライブが終わり、物販が始まる。
7人いるメンバーのうち、チェキを撮っているのは半分くらいで、残りのメンバーは空いていた。

どうしたものかと様子見を決め込んでいる僕に、若い男の子*6が物販システムを教えてくれた。
・・・・・・・・・の物販には「五感チェキ*7」と「サイコロチェキ」という二種類があるらしい。

僕は、勇気を出して、ちんあなごのポーチを持った子と「五感チェキ」を撮ることにする。
話してみると素朴な女の子で、ポーチにならってちんあなごの話をしたことを覚えている。

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勇気を出して、というのは、当初、僕は・・・・・・・・・にたいして「アングラ」「何をしでかすかわからない」というイメージがあり、チェキひとつ撮るにしても、なにかとんでもないことが起こるじゃないかとビビっていたのだ。

同時に、それは期待の裏返しでもあり、「なにかとんでもないこと」を見たいあまり、その後も僕は足繁く・・・・・・・・・現場に通うようになる。

*1:PIPは2016年2月28日に解散

*2:・・・・・・・・・コンセプト担当

*3:・・・・・・・・・プロデューサー

*4:のちに、この曲は「サイダー」という名前だと知る。

*5:実は、「サイダー」はこのようなフリではない。その日だけの特殊演出だったのか、僕の記憶が間違ってるのか。

*6:のちに、「はまちゃん」という名前だと知る。

*7:五感チェキとは、五感を用いたチェキである。チェキを撮影(視覚)して、アイドルと会話をするところまでは普通なのだが、その会話内容はスマホで録音され、クラウドにアップロードされる。そのURLをQRコードとして貰えるため、後から聞き返すことができる(聴覚)。また、メンバー毎に割り当てられた「味」のタブレット菓子がもらえ(味覚)、メンバー毎に割り当てられた「匂い」をQRコードに振りかけてもらえる(嗅覚)。最後に、握手をして終わり(触覚)。